私立恵比寿中学『ヱビクラシ一(エビクラシー)』全曲徹底レビュー
はじめに
色々情報が固まってきたので、『ヱビクラシー』の全曲レビューを書いてみました。
楽曲内容はもちろん、オマージュ元や、このアルバムのテーマであるコンセプトや、どんな想いで作られたアルバムなのか。といったところに着目しました。
エビ中が好きな方はもちろん、音楽的な小ネタが多いので、音楽が大好きで色々な音楽を聴く方にも是非御一読頂きたいです。
とても長いので、概要や、まとめ、気になる曲だけでも目を通して頂けたら幸いです。
※人名は敬称略しています。
メンバー紹介
エビ中をよく知らない方にも読んで頂きたいと思っているので、まずは簡単なメンバー紹介から。*1
真山りか
出席番号3番 中学9年生(20歳) メンバーカラーは紫。
メンバーの中で一番背が低く、高い所が苦手。アニメオタク。
安定した歌声とポニーテール、そして厚い唇が特徴的。
安本彩花
出席番号5番 中学7年生(19歳) メンバーカラーは緑。
丸顔、ショートカットでメンバー1涙もろく、少し変わった面白い人柄。
映画と歌うことが好きで、哀愁のある歌声から優しく包み込む様な歌い方など、幅広い歌声を表現するのが特徴。
廣田あいか
出席番号6番 中学7年生(18歳) メンバーカラーは黄緑。
鉄道オタクであったり、大人顔負けの考え方や倫理観を持っている。
ロングヘアと奇抜なファッション、独特の高い声が特徴的だが、男顔負けな気張った歌い方など多岐に渡る歌い方が特徴。
星名美怜
出席番号7番 中学8年生(19歳) メンバーカラーはピンク。
茶色掛かった髪色と少し上がった口角が特徴的。
適当なのか?しっかり者なのか?わからないがやる時はやる女性。
アイドルらしい歌い方とおちゃらけた歌い方をする印象がある。
松野莉奈
出席番号9番 中学7年生(故人) メンバカラーは青。
2017年2月8日に急逝された、ちょっと抜けた所があるが、それが気にならないほどに美しい女性。(むしろそれが良さなのかもしれない)
今作『ヱビクラシー』は、彼女に向けたレクイエム的なアルバムなのかもしれない。
柏木ひなた
出席番号10番 中学7年生(18歳) メンバカラーはオレンジ。
前髪を左に流したロングヘアが特徴的。数年前はとても幼い印象だったが、ここ数年でとても女性らしくなった。
全員高い水準の歌唱力だが、メンバー1歌唱力が秀でている。
力強く歌い上げるパートは否が応でも圧巻させられる。
小林歌穂
出席番号11番 中学5年生(17歳) メンバーカラーは黄色。
現メンバーの中で一番背の高いショートカットが特徴。
とても優しい性格、笑い上戸でまさに箸が転んでもおかして笑ってしまうような女性。
母親のような包み込まれる優しい歌声と、笑いながら歌っているかのように元気な歌い方が特徴的。
中山莉子
出席番号12番 中学5年生(16歳) メンバーカラーは水色。
ハーフツインテールが特徴的なメンバー。
メンバー1ミステリアスで、何を考えているのか、ファンも本人もわかっていない女性。
歌唱力は正直な所、他のメンバーと比べると少し不安定気味だが、それをものともしない底知れぬパワフルな歌声を響かせる将来有望なメンバーの1人。
概要
『ヱビクラシー』とは?
2017年5月31日に発売された私立恵比寿中学の7人初の4thフル・アルバム『ヱビクラシー』。
松野莉奈の突然の訃報により、コンセプトが多少変わったが、QJ vol.131によると、当初のコンセプトは”原点回帰”だったようで、随所随所にその残り香の様なものを感じられる。
また、メジャー・デビューをしてからアルバムは『中人』、『金八』、『穴空』とすべて線対称2文字だったものに対して、今作『ヱビクラシー』は線対称をやめ、大正デモクラシーをオマージュしたタイトルとなっている。
線対称2文字をやめた理由が、新しいことがしたかった。
というわけではなく、線対称2文字を探すのが限界になったために線対称を諦めたらしい…。笑
また、前作『穴空』が『森泉』になりそうなくらい迷走していたとのこと。笑
キネオ「二文字シリーズには本当に苦しんだ。穴空に決まる前は森泉になりそうだった」
— くまじゅん (@basashinofu) 2017年7月27日
校長「オスカーに森泉にしていいか聞いたら断られた」
制作陣について
インディーズの1stシングルである「えびぞりダイアモンド!!」やMステ初出演時に披露された「金八DANCE MUSIC」などを書いたヒャダインこと前山田健一。
3人の大切なメンバーの転校の際に披露された大切な1曲である「Dear Dear Dear」などを書いた、たむらぱん。
他にもメンバーの松野莉奈と柏木ひなた、2人の曲である「盆栽ガール」やエビ中の様々な楽曲を提供したレキシの池田貴史。
などなど、他にも多くのエビ中への思い入れの深い、乃至は昔から縁のある方々が主となって楽曲の制作をしている。
また、全部新曲のオリジナル・アルバムを制作することは年が明ける前に決まっていたらしいが、松野莉奈が急逝を受け、殆どの曲を発注し直したらしい。
ベスト盤出して、次シングルでツアーやることは絶対やめようと考えていた。全部新曲でアルバム出すことは2016年から決めていた。
松野のことがあって、ほとんどの曲を集め直した。
なないろは改めて池田さんのところに行った。
藍色のMondayは松野のことがなかったら作ってない。
君のままではもともとやることは決まってた。いい曲なのでそのまま入れた。
あくまで推測だが、発注し直した際にそう言った製作陣の面々にお頼み申したのではないか?と考えられる。
そのため、1曲1曲に様々な想いが込められているように感じる。
ジャケットについて
ジャケットをよく見てみると、メンバーの表情、相対的な位置が線対称になっており、線対称の名残のようなものを感じられる。
また、大正デモクラシーをオマージュしたアルバムタイトルや、昔の制服を彷彿とさせるような衣装なども見て取れる。
他にも、前作の『穴空(初回生産限定盤B)』のジャケットは、Velvet Undergroundという60年代を代表するロックバンドの『The Velvet Underground and Nico』というアルバムの”バナナ”が印象的なジャケットをオマージュしており、”ちくわ”が印象的なジャケットになっている。
こういった運営の小さな遊び心もエビ中の良さの1つである。
今作もその遊び心と愛を感じられる仕掛けが仕掛けてあり、KASABIANというエレクトロ・ロック・バンドの『48:13』というアルバムのジャケットをオマージュしている。
KASABIANがピンクのジャケットなのに対して、エビ中は松野莉奈のメンバーカラーである青色と同じ色が使われているのが印象的だ。
参考比較ツイートを引用するが、是非『ヱビクラシー』を購入して歌詞カードを自分の目で確かめて欲しい。
どこかで見たことあるなーと思ったけど、これかな?
— たかし (@Wacc_8210) 2017年5月30日
#エビクラシー pic.twitter.com/uJfr1CjvJj
クソみたいな余談なのですが、自分はWeezerというパワー・ポップバンドが好き&『ヱビクラシー』発売当初アツくなり過ぎたため、Weezerの一番有名な『Weezer(Blue Album)』というアルバムのオマージュじゃん!と息を巻いていました。
いやでも、色合いがソックリなんですよ!笑
まあ、勘違いなのでなんですけどね…どうでも良い話をしてごめんなさい。笑
収録曲
「ゑびすとてたまわんせむ」
作詞・作曲・編曲:Oichan
ヱビクラシーのタイトルが、大正デモクラシーのオマージュなのは先にも挙げたが、この曲もそれと同じ雰囲気を感じるタイトル。
また、「ゑびすとてたまわんせむ」を分解すると、「ゑびす(恵比寿)」「とてたま(とてもたまらない)」「わんせむ(アンセム)」と分けることが出来る。
ツアーの始まりに毎回流れるこの曲が「エビ中のとてもたまらないアンセムソングだよ!」という運営の意気込みを感じられ、ツアーそしてアルバムの本気度がヒシヒシと伝わってくる。
大正半ばごろに東京の女学生の間に「とてたま」という用語が流行したそう。
— ふるたか (@furutakatoyo) 2016年2月5日
「とても たまらない」の略で花柳界から広まったらしい。
「このお洋服、とてたま!」
みたいな感じだろうか。
結構かわいらしい感じがあります。
音作りも頭の音から時代を感じさせるようなレコードに針を落とした音からスタートする。
全体的にアナログな音作りになっていて、ホイッスルの音が特徴的な行進曲を連想させる序曲に相応しい1曲だ。
また、次曲の「制服”報連相”ファンク」との繋がりを意識して制作されており、一番最後に制作された曲らしい。
詳しくは以下引用より。
とてたまわんせむと制服ファンクは同じチームで作っていた。最初はとてたまわんせむ使う予定はなかったが、一連繋げてみてやはりオープニングが必要だなとなった。とてたまと制服ファンクは、1.5曲くらいの流れで作ってるからCDでも曲間をなくした(かりそめ)
柏木ひなたの得意な犬のモノマネである〈ワンッ!〉という声から「制服”報連相”ファンク」に気持ち良く繋がるので、是非注目して聴いて欲しい。
「制服"報連相"ファンク」
作詞・作曲・編曲:corin、ホーンアレンジ:村上基(在日ファンク)
60年代に生まれた16ビートを基調とするグルーヴ感のある黒人音楽であるファンクをモチーフとした1曲。
ギターのカッティングや、スラップベース、ホーンアレンジで現代らしい音の軽快なファンクソングになっており、ファンクと言えばジェームズブラウン!*3と言わんばかりに〈ゲロッパ!〉などの単語を連呼しているのが特徴的だ。
今回のアルバムは、メンバーのソロVer.が作られており、この曲のソロを担当しているのが、メンバー最年少である中学5年生の中山莉子。
メンバーの中で一番ソウルフルな歌い方をする彼女がフューチャーされており、ライヴでも披露する程に、得も言えぬ力強さが増して行き、今、私立恵比寿中学が表現出来る最大限のファンクソングになっている。
また、「印象的なソロ曲は?」という質問に対して
制服ファンク。中山はマジで狂ってた。気が触れてた。首の傾げ方がすごかった(かりそめ)
とエビ中の音楽担当であるかりそめ先生も絶賛している。
しかし、この中山莉子に引けを取らず、メンバー全員がネジの外れたような爆発力のある歌い方をしているのも魅力の1つだ。
中山莉子はもちろんだが、普段落ち着いた歌声であったり、優しい歌声の安本彩花と星名美怜の吹っ切れ具合も必見だ。
他にも、エビ中の「エビ中出席番号の歌 その2」という曲に、中山莉子の自己紹介をした〈チェリーが大好き りったんたん キュウリも大好き りったんたん 前世はカッパッパー〉というフレーズがあるほど、中山莉子はきゅうり好きである。
この「制服”報連相”ファンク」は〈ゲロッパ!〉だけでなく、〈宇宙人!?え?きゅうり!?やっぱ河童!〉や〈カッパ!〉などと叫ぶフレーズがある。
ももクロのソロ曲にもファンクをモチーフとした曲があり、〈カエルじゃないよ杏果だよ。ゲロッパ!〉というフレーズがあるのだが、「エビ中の中山莉子だったらきゅうり…カッパがいいんじゃない?笑」などと言った運営の遊び心を感じられるのも、エビ中ならではの面白さだ。
「感情電車」
作詞・作曲・編曲:田村歩美(たむらぱん)
前曲「制服”報連相”ファンク」と打って変わって、たむらぱん本人が歌っていてもおかしくないほど優しい表情を持つ楽曲。
この曲はリンガーハットのタイアップ曲として起用されており、他のアルバム曲よりも早い段階で制作に取り掛かっていたため、唯一松野莉奈の音源が残った貴重な1曲となっている。
百聞は一見に如かず。まずはこれを観て、聴いてくれ。
MVの話になってしまうが、このMVはメンバーである松野莉奈が最後に家族旅行で訪れた箱根に、第三者目線のカメラアングルで、まるでメンバー8人、または視聴者も共に箱根旅行に行ったかの様な視点の旅行MVとなっている。
松野莉奈の一件があって以来、2週間の活動休止期間があり、アルバムの発売の決定など少しずつ動きがあったが、メンバーはもちろんのこと、ファンも深く傷心すると同時に、今後に対する不安をも抱えていた。
そんな中、突然発表されたこのMV。優しさに溢れた楽曲も然ることながら、先にも述べた温かいMVに救われたファミリーは少なくないはず。
もちろん自分は、その救われた人間の一人だ。
さて、楽曲の話に戻るが「感情電車」と名の付いているだけあり、電車の車窓風景の様にメロディ毎に大きく雰囲気が変わるのが特徴的である。
フルコーラスに出演した際、この曲のソロVer.を担当している小林歌穂も
「感情電車の曲がイントロ、Aメロ、Bメロ、サビのメロディの雰囲気がすごい変わるので、電車に乗っていろんな景色を見てる気持ちで感情電車を聴いて頂けると、ワクワク聴けるので、良かったら…」
と述べている。
他にもイントロのギターストロークも、蒸気機関車の出発音を想像させるような音作りになっていたり電車を連想させるパートが多々ある。
その中でも、1番ソレを感じられるパートは大サビ前の間奏だ。
サビの歌メロフレーズを、駅の接近メロディの様なオルゴール調のアレンジで鳴らしていたり、裏のギターのパン振りが左右に振れており、まるで電車が通り過ぎるかのように鳴っている。
オルゴール調のアレンジは3分5秒辺りから聴けるが、出来れば飛ばさずにそう言った所にも注目して聴いてみて欲しい。
話を戻すと、当初のコンセプトに”原点回帰”といったものがあり、この曲は大正時代などの短歌も取り入れているのではないか?と考えられる。
この曲のCメロは、歌詞カードを見てもそこのパートだけ平仮名で書かれていたり、短歌のような歌い回しがそういった”原点回帰”に繋がっているのでは無いだろうか?
上記はただの自分の推測だが、1番伝えたいのは2017年の春ツアー「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」千秋楽の最後に流れた松野Ver.の「感情電車」と、現在の歌詞が少し変わっていたというところだ。
やっぱり
— りなのん (@EBC_ebiebi9) 2017年8月25日
「あかねさしまつのはあさのにわ」
ってとこりななんの音源では
「あかねさしまちにはあさのにわ」
だった。
私立恵比寿中学大好きだ。
アルバム音源では〈あかねさしまつのはあさのにわ〉と2番のCメロで歌っているが、松野莉奈Ver.では〈あかねさしまちにはあさのにわ〉歌っていた。
春ツアーの裏側を記録したドキュメンタリー「EVERYTHING POINT5」が今年の12月6日に発売され、松野莉奈Ver.の音源も入っているので自分の耳でチェックしてみて欲しい。
そういった愛の詰まった変更に、長年制作に携わって下さっているたむらぱんなりのエビ中への想いを図らずも感じられ、ささやかだがとても心を打たれる。
「紅の詩」
作詞・作曲:TAKUYA、編曲:TAKUYA・Keisuke Iizuka
「紅の詩」はタイトルから想像出来る通り、「紅の豚」に掛かっていると否が応でも感じる。
しかし、自分は「紅の豚」はほとんど知識が無いので、〈せつなくて飛べない豚になりそーうだ〉が有名なセリフ「飛べない豚はただの豚だ」をモチーフにしているということしかわからない。
そのため、「紅の豚」にも着目して書いているこの方のブログを是非参照して欲しい。
さて、この曲はメロディだけで言ったら、元JUDY AND MARYのTAKUYAが作曲しているだけあり、90年代辺りのJ-ROCKを香らせるようなギターと管楽器の伴奏で、特に歌を聴かせに来る印象が強い1曲だ。(もしかしたら後述するが、元ネタの1つであるSex Pistolsが台頭していた70年代のパンクをイメージしているのかもしれないが、良くも悪くもTAKUYAらしさが色濃く出たため、90年代J-ROCKと感じるのかもしれない。)
そのため、サビが全員力強く歌い上げているのだが、この曲のソロを担当している柏木ひなたの力強い歌声は他のメンバーと比べると頭一つ抜けて高いレベルで歌い上げているので是非そこにも注目して聴いて欲しい。
また歌を聴かせに来ると特に感じる点として、曲の終わりの方で安本彩花が〈充電不足の夜〉、真山りかが〈紅の詩をFOR YOU〉、星名美怜が〈乙女の微々たる余裕〉、小林歌穂が〈睡眠不足の女優〉と歌い上げているパートがある。
セリフは違えど、同じ発音で〈夜〉〈FOR YOU〉〈余裕〉〈女優〉と同じようにしゃくり上げているのに、それぞれ違った個性のある表現で歌い上げているのも注目して聴いて欲しい。
次に言いたいのは、ド頭の〈ライズ!なう!アッハハハハハ〉と勇ましく唄い、笑い上げ、最後の〈愛ゲットピスドデストロイ!Yeah!〉と自信に満ち溢れた安心感のある表情の声色で唄い上げる歌詞についてだ。
もうコレは言わずもがな。パンク・バンドの名前を挙げれば、絶対に出てくると言っても過言ではない伝説的バンドSex Pistols*4の「Anarchy In The UK」をオマージュした歌詞である。
Sex Pistolsの「Anarchy In The UK」もド頭で〈Right! Now! ha,ha,ha,ha,ha〉や、曲の最後に〈I get pissed, destroy〉と狂った様に唄い上げている。
オマージュ元である「Anarchy In The UK」は、タイトル的に前作『穴空』で使いたかったような気もする(もしかしたら『穴空』に対する”原点回帰”な意味があるのかもしれない)が、コンセプトである”原点回帰”という点で60年代の原点的パンク・バンドであるSex Pistolsを引っ張ってきたのだろう。と自分は認識をしている。
そして、この曲の大きなポイントは、QJ vol.131にて、瀬戸ボーイが「ダブルならぬトリプルミーニング」と興奮していたほどに難解な歌詞。
そのためもあってか、ソロVer.を決めたのは瀬戸ボーイらしい。
紅の詩は瀬戸ボーイの強い想いがあって瀬戸さんが決めた
なので自分なりの解釈で飛躍した表現になってしまっているかもしれないが、こういう考え方もある。くらいに感じて頂けたら幸いだ。
表面上の歌詞の意味を考えると、ポエムのような歌詞や〈睡眠不足の女優 チャンスは一回きりのサスライト〉、〈数多の神様募集 二人の影よ伸びてピンライト〉など舞台照明器具の名前などが出ていたりするため、舞台出演を目指しひたむきに励む女優を唄った歌のように感じられる。
しかしこの歌の真意は、紅白を目指すエビ中への応援歌なのだ。
まず〈うなだれを知らぬ稲穂が星座と戯れています〉と言うのは、いつも明るい小林歌穂*5がエビ中に同期として入った中山莉子*6と戯れている日常を表現したものである。(もしかしたら、エビ中全体のことを星座と表現しているのかもしれない。)
続けて〈そんないつもと同じような夜に奇跡は起こります〉とあり、紅白出演が決定したそんな奇跡を唄っているのではないだろうか?
それだけではなく、〈赤く染まった紅の舞台はすぐそこなんです〉や〈赤く染まった紅の舞台が今幕明けます〉という歌詞もあり、まさに紅白出演を祈願した唄のように感じる。
他にも〈あしたのルーティンもパーティもヒュプノス*7のハグもスルーして決意もしたのに〉という歌詞には日常のレッスンやライヴ、眠気を堪えつつも行う中学の宿題をこなしていたことを表現している。
それをこなしているのに、紅白出場の連絡がない。〈何故に返事をクレナイ?〉*8と繋がり、テレビ上で観る紅白の歌手の歌、〈油断して知らない歌で泣きそーうだ〉とこれまでの出れなかった年々の苦い想いを唄っている。
また松野莉奈の突然の訃報、それを唄った一行が〈季節外れの突風に夜ごと振り舞わされてます〉なのではないだろうか?
〈眠れず君のハートに翼広げ運命も加速したのに〉共に励み合いこれからだというのに…。というこの曲を制作したTAKUYAの悲痛な叫びのような想いが感じられる。
しかし、その後にTAKUYAの声も入ったコーラスで〈YOU BE AMBITIOUS CHILD〉と歌っている。「エビ中は野望のある中学生だ!こんなところで負けるな!」とTAKUYAなりに応援しているように思える。
また〈油断して知らない歌で泣きそーうだ〉はTAKUYAの当時の心境を描写した一行でもあるとか…?
何であれ自分もそうであったので、この一行にはとても心打たれたものだ。
w/TAKUYAの生ギター&コーラス、ももクロ百田夏菜子、チームしゃちほこ秋本帆華Ver.だが、上記を踏まえた上で是非聴いて欲しい。
演劇、紅白、松野莉奈のことであったり、エビ中の日常、紅の豚、「Anarchy In The UK」他にも様々な意味が込められているのかもしれない。
〈愛ゲットピスドデストロイ〉愛を振り撒き、毎年の日常をぶっ壊す。
そこにTAKUYA、そしてファンのエビ中への様々な想いすべてが詰まっているのだ。
「コミックガール」
作詞:北島康雄、作曲・編曲:四星球
これまでの曲がアーティスト路線と呼ぶなら、この曲はスタダアイドルらしいおふざけ全開のまさにコミック路線の楽曲だ。
サウンドは、制作した四星球の色が色濃く出たサウンドになっている。
この曲の特筆すべきところは、先にも少し触れているが、何と言っても古今東西、幅広い漫画やアニメの名シーンをパロディした歌詞である。
実際はパロディというより、漫画から飛び出してきたヒロイン達が大暴れしているという歌詞になっていて、先に述べた「制服”報連相”ファンク」とはまた違ったネジの外れたアホっぽさが前面に出た歌い方が特徴的だ。
歌い方とは少し異なるが、全開のアホっぽさを体感出来るこんな話がある。
曲中にラッキーという犬が登場し、柏木ひなたが得意とする犬のモノマネをするのだが、「私立恵比寿中学放送部」*9で、〈ハーハー、クンクン〉というパートを、より犬っぽさを出せると考えたのか、アドリブで〈ワン!ワン!ワンワン!〉と得意の表現に変更したと言及してらしい。
良い表現をするならば、アーティストらしい自分に合った表現をしているとも言えるが、そういった面でこの曲は良くも悪くもエビ中のアホっぽさが全開に出てるのだ。
対してソロVer.では、廣田あいかが歌詞通りに唄い上げている。
一見、「なんだ、普通なのか〜。」と感じるかもしれないが、そのソロVer.にこそ、廣田あいかの真髄が詰まっている。
様々なキャラクターが登場するこの曲だが、通常のアイドルからしたらエビ中のある程度多くも思える人数だからこそ、多くのキャラクターが立ち、成立した曲だと自分は感じる。
しかし、ソロVer.では一人でこのキャラクターを演じきらなくてはいけないが、廣田あいかの個性でもある甘い声や、気張った張りのある歌声など、様々な声色を使い分けて一人でそれを成立させているのだ。
コミックガールは廣田がやったらどうなるのだろう?みたいな感じで決めた(かりそめ)
最初は実験的なニュアンスだったのかもしれないが、ソロVer.と全員の音源で一番変化を楽しめる1曲だと自分は感じている。
なので、是非そこにも注目して聴き比べを行なって欲しいものだ。
更にこの曲を聴く際は、〈「遅刻だ!!」トーストくわえてダッシュ〉といったのような一昔前の少女漫画と言えば!と思わせる定番が歌中に多く存在するので、絵を想像しながらニヤケて聴いて欲しい。
元の漫画がいくつ分かるか?そう言ったところに着目して聴いてみても面白さが広がりそうだ。
「さよならばいばいまたあした」
作詞・作曲・編曲:角舘健悟(Yogee New Waves)
80年代に流行した都会的なイメージを前面に出したポップスであるシティ・ポップ*10のリバイバル的バンド、Yogee New Wavesが楽曲提供した「さよならばいばいまたあした」。
「さよならばいばいまたあした」も、シティ・ポップ・リバイバルのようなサウンドになっており、エビ中ならではのシティ・ポップを表現した曲になっている。
というのもパンクが怒りの音楽であるように、シティ・ポップは都会の日常を切り取った音楽だと自分は認識している。
そしてこの曲「さよならばいばいまたあした」は、中学生の家路につく際の、少し甘酸っぱい別れなどを綴った等身大な日常かつ、郷愁的で、切なくも温かみのある曲だ。
今風のシティ・ポップらしいメロディだが、歌詞は当時のシティ・ポップを中学生風に書いたような、アルバムコンセプトである”中学生”と”原点回帰”、双方を取り入れた曲のように思える。
レビューと言うより主観になるが〈でもお買い物をするよりもっと あなたと寄り道したい ほら川まで競争ね あなたの妄想でどこか遠くまでいってみたいんです〉という歌詞がある。
自分が当時、高校生だった頃の帰り道に河原を通る道があった。そんな思い出を掘り返され、郷愁感に苛まれつつも曲調も相まって、温かい気持ちになれるこのパートが自分は大好きだ。
誰もが1度は経験した学生生活、そんな学生生活の日常を歌ったこの曲に、アナタも好きになれる要素があったら、是非とも教えて頂きたい。
また、「ソロはどのように決めた?」という質問に対して
基本的には全員すべて録って、一番おもしろい人、かっちりハマった人にした。
一番最初録ったのは感情電車。小林ソロが一番ハマってた(校長)
と、藤井校長は言っている。
確かに「感情電車」と小林歌穂の世界観とのマッチ感は、全員Ver.とはまた違った彼女の温かみに溢れた独特の優しい雰囲気があり、文句無しの出来栄えだった。
しかし、松野莉奈が存命していた場合、この曲が小林歌穂のソロ曲になっていて、松野莉奈が「感情電車」のソロVer.を担当していたのではないか?と感じるほどに、現役の学生でもある小林歌穂に優しくて温かみのあるこの曲が1番合ってると自分は感じる。
それに加え、1度しか聴けておらず*11、感情補正もあるのかもしれないが、松野莉奈のドンドン上達していった歌唱力に、彼女の透き通った歌声が掛け合わさって自分の中では松野Ver.の「感情電車」が1番だ。とも感じている。
また、エビ中の楽曲に「いい湯かな?」という田舎の祖父母の家に訪れ、お風呂を沸かして孝行し、これからは自宅でも孝行しよう。と決意する中学生を歌った曲がある。
この曲も都会っ子のエビ中ならではのシティ・ポップを感じる優しい雰囲気の1曲だ。
そういった中学生のリアリティを一番表現出来るのが、自らを「一番存在感が無くて平凡だ。」と卑下する小林歌穂こそ適任なのではないか?と自分は思う。
もちろん平凡なんかではなく輝いているのだが、謙虚というか、優し過ぎるために出た言葉、想いなのだろう。
一番中学生らしい透き通った心を持っている彼女が1人で歌う「いい湯かな?」と「さよならばいばいまたあした」もいつか聴いてみたいものだ。
「なないろ」
「藍色のMonday」については後述するが、「藍色のMonday」と「なないろ」は他の曲よりも、強く追悼の意味をのせた楽曲だと感じている。
双方共に弔いの想いを持っているが、大きく違うのは”憂い”か”前進”の気持ちなのか。といったところだ。
”概要”中の”制作陣について”中でも述べたが、「なないろ」は松野莉奈のことがあり、改めて池田さんのところに行ったと述べている。
そのため、表面上「なないろ」は、"キミ"のことを想った少女の恋の歌だが、松野莉奈を想いつつ、エビ中が前進していくための意味合いが込められた曲だと考えられる。
また、松野莉奈の急逝以降初めてのライヴである「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」ツアー初日の「なないろ」が初披露される前に真山りかがこのように曲紹介をしている。
「沢山の想いが詰まった曲。私達のスタートの曲です。聴いて下さい。なないろ。」
ライヴでの初披露というのもあり、歌唱力が不安定なところも見受けられるが、皆が各々「前を向いて進んで行くんだ。」といったような力強さが感じられる。
歌詞に着目すると、初めの〈はじまりはキラキラ この恋はセブンカラー 止まらない気持ち キミが教えてくれた〉というのは、恋をエビ中と比喩し、7色になったエビ中が当初、キラキラと涙を流していたが、松野莉奈に止まっちゃダメ!と諭されているように思える。
しかし、曲中最後のパートでは〈はじまりはキラキラ この恋はセブンカラー 止まらない気持ち キミに教えてあげる〉と変化しており、前向きに前進していることを松野莉奈に伝えたい。そんな決意の気持ちが表現されているように感じられる。
他の歌詞では〈はじまりはキラキラ 見上げたら青い空〉や〈ねぇ今も空を見ていた キミが笑った気がしたから〉とあったり、ツアー初日の安本彩花のセリフから、メンバカラーが青である松野莉奈のことを、空と比喩して歌っているようにも取れる。
MCを締めくくると、最後まで涙をこらえていた安本は「泣かないで言えましたー!莉奈ー! 言えたよー!!」を天を仰いで笑顔で叫んだ。
まだまだ他にも沢山の比喩を感じられるが、〈陽のあたる場所で待ってるよ〉という歌詞について言及させて欲しい。
「エビ中の天才盆栽中学生(仮)」で生まれた池田貴史作の「盆栽ガール」に〈ひなたでまつの〉〈ひなたとまつの〉という歌詞がある。
柏木ひなたが、松野莉奈の死去後、初のブログ更新にも載せていたり、どちらの曲も池田貴史が携わっているため、そのことを含んで歌っている気がしてならない。
私はひなた。
青い空があるから生きていける。
私はずっと
ひなたでまつの。
ひなたとまつの。
何れにせよ「なないろ」は、池ちゃんだからこそ書けた曲なのだ。と痛感させられた。
春ツアー千秋楽にて披露された「なないろ」
松野莉奈の誕生日だった公演、千秋楽、ファミリーの粋なサプライズでサイリウムが徐々に青色になっていく姿は今思い出しても圧巻だった。そんな様々な想いが溢れたのか安本彩花が涙して一部歌えなくなってしまっている光景もこの音源には詰まっている。是非1度聴いてみて頂きたい。
「なないろ」の予期せぬ青色のサイリウムで彩ちゃんが泣いてしまって歌えないので涙腺やられて、MC、フレサイで蓄積して、サドンデスの右太もも連打からの優勝でダム決壊。
— 鍛高たんと (@EBC_TANTO) July 16, 2017
「感情電車(松野莉奈ver.)」と8人のエビクラシー映像と8人のエビクラシージャケットが観れて言葉が出ない感情失禁
最後に。
冗談半分でオーダーしたのだと思うが、Negicco「ねぇバーディア」超えする曲書いて下さいね!とオファーを受けたらしい…笑*12
池ちゃん「なないろはバーディア超えしてくださいというオファーを受けて書いた。上から(目線)でしょ。笑」
— がっち (@777KIDZ) 2017年6月3日
どちらもきっと笑いながら冗談交じりに言っていたのだと思うが、それほど本気でこの曲を制作した。して欲しい。という想いがあったのだろう。
実際に「ねぇバーディア」超えをしたのかは、是非自分の耳で確かめて欲しい。
「君のままで」
作詞・作曲・編曲:Hiroyuki Fujino
ポカリスエットのCMを彷彿とさせるような爽やかで爽快感溢れるロック調の1曲。
雰囲気としては、ELLEGARDEN「風の日」が近いように感じられる。
そんな爽快感溢れる「君のままで」が「 なないろ」の次に位置するのは、先程述べた決意を持ち、突き進むことを表しているのではないだろうか?
歌詞も〈いつか語り合った想いを抱え 約束の場所たどり着くまで〉や〈どこまで続くだろう どこまで行けるだろう 確かなことは何もないけど怖くない〉とあり、先程の決意が揺るぎ無い想いになったよう感じられる。
また、
君のままではもともとやることは決まってた。いい曲なのでそのまま入れた。
とかりそめ先生が述べている。
そのため、直接的に繋がりがあるわけではないが、制作された当初から、エビ中の目標である紅白やその先の高みへ突き進み続ける意志を書いた曲のように思われる。
そして、この曲のソロVerを歌っているのは、松野莉奈と一番仲の良かった安本彩花だ。
音源では、キレが良く疾走感溢れ、決意に満ち溢れた表情をして歌っているが、レコーディング当初は、気持ちとして振り切れていなかった様子があったらしい。
レコーディング中、安本さんが気持ちの感覚として振り切れない印象があったのですが、途中から吹っ切れて、めちゃくちゃいいテイクが録れたんです。
QJ vol.131 『エビクラシー』徹底解説より
しかしラジオや多くのインタビューや密着などで安本彩花は、最初は塞ぎ込んでいたけれど、前向きな気持ちで行く決意を表明している。
「正直、こんなこと思っちゃいけないけど、”こんなに辛いなら、人生を終わらせちゃいたいな”って思った時もあったんです。
でも、莉奈の代わりにはなれないけど、莉奈の分も人生を最後まで頑張らないといけないなぁって思って。」
「莉奈も最後まで頑張ったから天国に行ったと思うし、自分も最後まで人生を頑張って、最後、莉奈に会った時に自分の人生をプレゼントしてあげたいって思うんです。
「私の楽しい人生の小説を莉奈に再会した時にプレゼントして、『彩ちゃん、良い人生送ったね! すごい楽しいお話じゃん!』って言ってもらえるような人生にしようって思って頑張っています!」
また、これまではヒャダインに命名された「エビ中のボーカロイド」と呼ばれるほどの音程の安定感等から、良くも悪くも優等生。といった印象の安本彩花だった。
だが、少し前から歌い方に表情が付いてきて、ボーカロイド感は薄れてきて、更にここ最近では、歌にフェイクを用いたり、歌い方に表情が付いてアーティスティカルな一面を見受けられるようになった。
この間のちゅうおんでもそうでしたけど、ここ最近の彩ちゃん曲にフェイク入れまくりでカッコいいですね。
— ぺろきち (@ebc_pero_pero) 2017年10月7日
今日だけで4曲くらいフェイク入れてたように感じます。
そういった一面が見受けられるようになったのは、この曲を歌って決意が固まったのも大きな要因の1つであると思っている。
この曲は、そんな安本彩花の新たな表情の背景を軸に、突き刺すように鋭い決意に満ちた曲なのだ。
自分の中で安本彩花は、松野莉奈の件があり、哀愁を漂わせた歌い方を覚えた。遺憾ながら覚えてしまった。と言った印象があった。
詳しくは次に述べるが、『ヱビクラシー』の中で一番哀愁的な曲「藍色のMonday」が安本彩花のソロVer.に一番合っていると当初感じていたが、この音源を聴いて、良い意味で想像を裏切られた印象を覚えた。
明るく前向きな安本彩花が一番合っている。
「君のままで」いて欲しい。
そんな想いを抱えるのは色眼鏡で見ているからだろうか?
「藍色のMonday」
作詞・作曲・編曲:CMJK
「なないろ」「君のままで」と前進する決意を固めたが、やはり人の死。特に中学生ともなると悲しみがすぐに無くなる訳ではない。
そんな彼女達の”憂い”を幻想的で、淡く儚い世界観で綴られた曲だ。
お気付きの方も多いと思うが、この曲はNew Orderという80年代を代表するテクノ・ロック・バンドの世界的ヒットをした代表曲「Blue Monday」のタイトルをオマージュした楽曲となっている。
「Blue Monday」*13という曲は、前身のバンド、JOY DIVISIONのヴォーカルであったイアン・カーティスの自殺を曲にしたもので、松野莉奈は自殺ではないが、残されたメンバーの想いが詰まった曲というニュアンス、そして大ヒットを祈願した2つの想いが詰まったオマージュのような気がする。
藍色のMondayは松野のことがなかったら作ってない。
エビ中の音楽担当しているかりそめ先生がこのように述べている。
New Order「Blue Monday」の世界観が、俯瞰し徹底した冷静さ持っている歌われているのに対して、この曲は抽象的ではあるが、否応無しに進んでいく1週間を憂いを持った世界観で歌われている。
BLUE MONDAYの世界観にはイアンの死を悲観するような感性は皆無で、自分の状況を俯瞰で見つめる徹底した冷静さで貫かれていました。
「藍色のMonday」の制作者であるCMJKのFacebookで「Blue Monday」の世界観についてこのように書かれている。
音色の話になるが、音色はコンセプトである”原点回帰”をイメージしているため、80年代を感じさせる昭和歌謡アイドルのようにキラキラとした一見ポップな曲に感じる。
こちらこそありがとうございます!あっさっき言い忘れてましたがエイティーズ方向はやりたかったことですので大大大正解です!
— CMJK (@principalcmjk) 2017年5月31日
しかし、音もNew Orderオマージュしており、「Blue Monday」の印象的な電子ドラムのキック音や、同じくNew Orderの「The Perfect Kiss」という曲の高音ベースのメロディ*14*15を「藍色のMonday」でも同じく高音ベースで似たようなメロディを奏でるため、New Orderファンもニヤリとしてしまうようなフレーズが多く存在するエレクトロ歌謡曲と呼ぶのが相応しい楽曲になっている。
ありがとうございます!「藍色のMonday」オケ製作時は何も参考にせず自分の中に蓄積された感覚とクセだけでやりましたのでいろいろ引き出されてると思います。ちなみにThe Perfect Kissは聴かなくても打ち込みで頭から終わりまで再現出来るくらい好きです 笑 https://t.co/ArhECN19LF
— CMJK (@principalcmjk) 2017年5月31日
この曲はライヴを観ると多くの方が、「アイドルっぽくて可愛らしい曲だよね!」と言っている印象を自分は持っている。(メンバー本人達も同じ印象のようで、「アルバムの中で一番可愛い曲です!」といった紹介から曲が始まる)
歌詞もメロディもよく見ると物悲しさや憂鬱な感じが出ているが、それを感じさせないのは、振付家のホナガヨウコの可愛らしい振付けの賜物によるものだ。
『藍色のMonday』は星名美怜ちゃんの可愛らしさを前面に。そして良く聴くと切なくなる歌詞なんですが、振り切って敢えて明るい表現に。そしてエビ中に関わるのは初めてではありますが、私なりにあと1人への気持ちを振付にこっそり込めました。自分で作っといてあのシーンで毎回泣きそうになる。 pic.twitter.com/ZCqBxyaD1Q
— ホナガヨウコ (@honagayoko) 2017年4月22日
振付師であるホナガヨウコ本人のTwitterアカウントでもこのように呟いている。
歌声が一番アイドル感のある星名美怜の可愛らしさが振付け、そして歌声にも出ているため、全員Ver.の音源が哀愁というテーマなら、ソロVer.は80’sアイドルと言ったテーマを感じる。
そのため、全く別の曲のような印象を受け、『ヱビクラシー』の中で1番不可思議な面白味をも感じられる曲だ。
少し話が脱線してしまったが、ホナガヨウコは後日、心苦しく感じるあるシーンについても言及している。
『藍色のMonday』振付裏話
— ホナガヨウコ (@honagayoko) 2017年5月31日
どうして一週間
7日間しかないの?
神様お願い
8日間にしてよ
この歌詞見た瞬間に
あの1人分空ける振付が浮かびました
振付中は特に言わなかったけどメンバーもマネージャーさんもすぐその意図に気が付いてくれて
明るく踊ってるけど切ないです
基本的に明るい印象の振付けだが、歌詞、ブレイクのように最低限音色だけで奏でるメロディ、それぞれが相まってズシンと心に刻まれる1フレーズとなっている。
他にもライヴでメンバーがアドリブで行う間奏の登校、下校シーンの振付けも必見だ。
『藍色のMonday』振付裏話
— ホナガヨウコ (@honagayoko) 2017年5月21日
動きに色々と設定があります。「細かい!笑」と言われつつ楽しんで作りました。物語を加える事で表情にも味が出て来るので、毎回成長があって面白いです。
ちなみに間奏は登校&下校シーンになってます。それぞれの会話の内容も決まってるので想像してみて下さい!
コンセプトである”中学生”を意識したのか、哀愁に振り切った曲では心が持たないという運営の優しさかは定かではないが、そういったものが作用し、色々な楽しみ方が出来る1曲になっている。
また、楽曲制作者であるCMJKが自身のTwitterでこのようなことを述べている。
自分の相方へとエビ中への祝福の言葉の長さの違い 笑
— CMJK (@principalcmjk) 2017年6月6日
エビ中「エビクラシー」収録「藍色のMonday」Cutemenファンの方にも聴いてみて欲しいです。
落ちサビ、Dメロ部分では昔からぼくが「ここぞ!」という曲にしか使わない必殺の伝統のピアニカを吹いています🎹 pic.twitter.com/gDfhg7UWGN
このタイミングで死が背景にあるNew Order「Blue Monday」をオマージュする時点で、運営の本気・覚悟が伝わってくるが、自身の「ここぞ!」という時の伝家の宝刀であるピアニカを提供曲に使用している所に制作者であるCMJKからも並々ならぬ愛や想いを感じる。
再三の発言になるが、New Orderがロックとダンス・ミュージックを掛け合わせた先駆者のように、エビ中がアイドルと他ジャンルを掛け合わせた先駆者、そしてこの曲を含む『ヱビクラシー』が、New Order「Blue Monday」のように代表作になることを切に願う。
「春の嵐」
作詞・作曲・編曲:照井順政
エビ中の既存曲で言うと「フユコイ」のような心の底から沸々湧き上がる焦燥感と、刹那的だが力強さを含んだ悲壮感を持ち合わせたピアノ・ロックな1曲。
「フユコイ」をご存知では無い方は、BiSHの「オーケストラ」を想像して欲しい。
エビ中「フユコイ」の作曲・編曲を松隈ケンタ*16が行なっており、BiSH「オーケストラ」も同じく松隈ケンタにより制作されているので、似た雰囲気が感じられる。
制作者である照井順政が「オーケストラ」のような曲にして欲しい。というオーダーがあったと述べており、近い雰囲気が感じられるのは必然なのかもしれない。
オーケストラってのは、運営からのオファーがそういう曲をってことだったようです(本人談)。
— ちーます (@m501ebc) 2017年5月30日
タイトル通り、嵐の如く移り変わる歌唱者や、〈吹き抜ける風が 花びらを巻き上げて 胸の奥に隠した 秘密の紐を解いて 逃げていった〉と歌い上げた直後に、これまで押さえつけていた分の気持ちが全て決壊するような勢いで、楽器隊の演奏がスタートし、その勢いのまま全速力で駆け抜けていくのが、この曲のポイントだと自分は感じる。
思春期特有の不安や怒りを思わせる反骨精神的気持ちを表したのがこの曲だ。
また、先程の「藍色のMonday」と同じく、振付家がホナガヨウコである。
『春の嵐』は全然違う演出に。真山りかちゃんの力強さと格好良さ。青春の心の中のザワザワ(うまくいかなくてもがいたり、必死に一生懸命に取り組んだり)を、全編通して静と動のコントラストが出るように、舞台作品ぽく描きました。清々しい風が吹いたり、荒々しい嵐に巻き込まれたり。グッときます。 pic.twitter.com/1sHmcu8hwF
— ホナガヨウコ (@honagayoko) 2017年4月22日
この曲が力強さを孕んだ曲調なのと同じように、この曲の振り付けも先程の「藍色のMonday」とは打って変わって力強い振り付けになっている。
その証拠に、本人が裏話で「真山チャレンジ」と言うものについて言及している。
『春の嵐』振付裏話
— ホナガヨウコ (@honagayoko) 2017年5月21日
真山りかちゃんが「跳んで掴みにいくけど上手くいかず倒れては繰り返す」動きを、通称「真山チャレンジ」と呼んでます。
実際この一連の動作は、シンプルながら流れるように美しく見せるのが難しく「本当のチャレンジだ...」と言いながら何度も練習してくれました!
『春の嵐』振付裏話
— ホナガヨウコ (@honagayoko) 2017年5月31日
所々に出てくる特徴的な右手の形は、困難に立ち向かうための構えになってます。
上段受け、中段止め、下段払い、みたいなイメージ。はねのけながら、前進してく。
ザワザワする気持ちに、真っ直ぐに向き合う姿勢。
あの動きの時の皆の意を決した強い目力が好きです。
今まで自分は、ライヴでは音にばかり集中してしまい、振り付けやフォーメーションなど注目しきれていないでライヴを観ていた所があった。
しかし、こういった裏話を聞き、ザワザワする気持ちを表現した振り付けや、それに伴ったストーリー性を再確認させられたため、これからはもっと振り付けや全体に目を配りたい。
完全に自分の反省を述べてしまったので話を戻すが、この曲は特に16分で鳴らせれる音が多いため、初めて音源を聴いてもノリやすかった。(また主観になってしまうが、春ツアー初日に聴いた時もこの曲が1番ノリやすいと感じた。)
ライヴの楽しみ方は人それぞれで、曲に魅入る人もいる。振りコピをする人もいる。それを否定するわけではないが、是非一度マスロック・バンドをやっている照井順政が手掛けた「春の嵐」のビート感に1度ノって聴いてみて欲しい。また新たな一面が垣間見れると自信を持って推奨したい。
また、裏で鳴るピアノが焦燥感と不安感を煽るため、不安定な表情を覗かせながら藻掻きながらも走り抜く、青春真っ只中のエビ中を垣間見ているようだ。
精神的な意味合いで、この曲に似たエビ中の既存曲に「大人はわかってくれない」という曲がある。
「大人はわかってくれない」は大人から見た中学生、どちらかと言うと子供っぽい悩みを爆発させた楽曲だが、「春の嵐」はどちらかと言うと大人らしい葛藤を爆発させた楽曲だ。
双方共に、中学生らしい悩みを抱えた楽曲ではあるが、比べると特にエビ中の成長が感じられる仕上がりになっている。
また、エビ中はメンバー自身の歌唱力の上昇などが起因して、アルバムを出す度に成長を感じられるアイドルである。
今作でも歌唱力の向上はもちろんしているが、この曲は曲調・歌詞・歌唱力・振り付けなどすべてが作用し、アルバムの中で1番中学生ながらに大人びた成長を感じられる、エビ中のアルバムの真髄を表した1曲だとも言えるだろう。
「フォーエバー中坊」
今作『ヱビクラシー』のコンセプトである”中学生”と”原点回帰”をこれでもか。というほどに詰め込んだ1曲。
今作の今までの楽曲は”原点回帰”というコンセプトで、60年代ファンク、70年代パンク、80年代ニューウェイヴなど音楽的な意味での”原点回帰”を行って来たが、この曲はエビ中の”原点回帰”を遺憾無く発揮している。
まずイントロ後の〈ちゅちゅっちゅっちゅちゅ 中学生〉とエビ中の既存曲である「永遠に中学生」を思い出すフレーズを引用しており、4声に分かれていて、復唱する度に1パートが増えていき、「永遠に中学生」を今のエビ中にアップデートさせたようなアンサンブルで成されている。
他にも、エビ中のユニットであるスターナッツ*17の楽曲「for you」が〈for you〉とピンク・レディーの「UFO」を彷彿とさせるようなフレーズで歌われており、この曲も同じフレーズで〈中坊!〉と歌い上げている。
また、エビ中の既存曲「えびぞりダイアモンド!!」に〈悪いことしたときはね ゴメンっって謝ろ? そうすれば ケンカも 争いも 戦争だって なくなると思うんだぁ〉という歌詞がある。
youtu.be「フォーエバー中坊」も〈悪いことしたときはね ゴメンっって謝ろ? そうすればケンカも争いも戦争も 無くなるんじゃい!!!〉という歌詞があり、前半は小林歌穂が母親が幼子を諭すかのように優しく唄い上げ、中山莉子が「有無を言わずに私達に付いてこい!」と言わんばかりに力強く後半を唄っている。
このように、過去の曲自分達の曲から引用していたり、〈年齢引く12で中学生 例えば32歳 中学20年生〉など、他にも多くのエビ中ならではの表現を使い、エビ中であると言う証明、中学生への”原点回帰”を表している。
それだけではなく、彼の右に出る者がいないと言っては過言ではないほど、メンバーの個性を引き出すのが上手いヒャダインこと前山田健一が作詞・作曲を行っており、おもちゃ箱のように面白さも詰まった曲になっている。
音楽的に面白いポイントを挙げると、今やエビ中の恒例(?)とも言えるような音楽の教科書に乗るような音楽からの引用だ。*18
「仮契約のシンデレラ」ではベートーヴェン「エリーゼのために」、「ハイタテキ!」ではベートーヴェンの第九交響曲第4楽章「歓喜の歌」などのフレーズが引用されており、今回はロシア民謡である「トロイカ」が引用されている。
ド頭のフレーズを用いて、〈走れエビ中 疲れたら バスを使おう 走れエビ中 芸能界 毎日 運動会〉と歌い上げている。コレはアルバムコンセプトである音楽的な原点回帰を表しているのではないか?と考える。
こうした面白さもある一方で〈何歳からが大人とか まあどうでもいいじゃんしりとりしてあそびましょ〉と最年長組の星名美怜がなんちゃってオペラ風に前半を歌い上げ、真山りかが本当に最年長か?と思わせるほど、おもしろおかしく歌い上げているパートもある。
エビ中は上と下で年齢差が最大4年あり、リーダーのいないグループだが、こうして最年長組が戯けることで、上下関係の無い天真爛漫さのあるエビ中らしさが表されているように感じる。
更に次の歌詞では〈【真山】エビ中!【星名】海!【小林】みかん!【中山】うわーー〉としりとりを始める。
しりとりを始める時点で既に可笑しいのだが、しりとりを始めるメンバーが何と言っても秀逸で、最年長組の2人がしりとりを始め、最年少の2人がその後を続くことで上下関係の無さと共に無秩序なエビ中らしいゴチャゴチャとした面白さも感じられる。
そして、小林歌穂が自信満々に〈みかん!〉と言い早々にしりとりを終わらせてしまうが、中山莉子が嘲笑したかのように〈うわーー〉と言うセリフで締められる。
中山莉子がこの表情で言っているとイメージして欲しい。
どんなグループでも言う人によっては、ただバカにしているだけに感じるかもしれないが、同期で同世代である中山莉子が言うことで仲が良いからこそ出来る返答と取れ、嘲笑気味だが、全く嫌味には感じられない。
メンバーの表情を引き出すのが上手いヒャダインだからこそ、面白さと共にエビ中らしさを存分に表現出来ているのだと改めて再確認させられる。
またエビ中をよく知っているからこそこういった表現が出来るのであって、松野莉奈のことで当時ヒャダインは、関係者の中でも多大なショックを受けていた印象がある。
そんな感傷的な最中、メンバーの方が辛いはずであるのに、安本彩花が笑顔でバウムクーヘンを分けて、助けられたという話がある。
あの冬の日
大人のくせに泣いてた自分に
笑顔で安本がバウムクーヘンくれて
食べたらバウムクーヘンが涙を吸ってくれて
その時に、なんでか、
「あー、この子達は前しか見てない」
心の底から思って
手伝いができればいいな、と思って
書いた曲です。
こういったエビ中イズムが存分に詰まるきっかけにもなったであろう話が、〈バウムクーヘン食べて 喉がカラカラ〉と歌詞中にも入っている。
歌っているのはもちろん、バウムクーヘンを分け与えてくれた安本彩花で、この話を聞いてから「フォーエバー中坊」を聴くとおバカな歌詞なのに、目頭がジンワリと熱くなる想いに苛まれる。
他にも家族想いだが、人見知りな安本彩花が〈エビ中やっててほんとに良かったなあ 人見知りなんじゃらほい大家族 はい!〉と歌っていたり、アイドル好きな廣田あいかが〈エビ中やっててほんとに良かったなあ 楽屋でアイドルちゃんとツーショット はい!〉と明るく楽しく歌っている。
自分だけかもしれないが、当時解散してしまうのではないか?と思っていた自分には「まだまだ私立恵比寿中学を好きでいて良いんだ。」と後押しされたような気持ちになれた大切な歌詞の1つである。
今作は全曲新曲で更にアーティスティカルな曲が多い中、この曲がアルバムの最後に置かれている所に「変化をしていても、エビ中は永遠に中学生なんだ!」と言うメッセージ性を感じる。
受け取り方は人それぞれだと思うが、エビ中を知れば知るほど、好きなフレーズや歌詞が止め処なく溢れる曲だと認識しているので、自分の思う好きなフレーズや歌詞を是非見つけ、良かったら教えて欲しい。
そして逆説的に、この曲から更に私立恵比寿中学を好きになって”フォーエバーに中学生”になって頂けたら1ファンとしても喜ばしい限りだ。
最後に…
今作は、随所随所に散りばめられた古き良き時代を感じさせられるような仕掛けが数多く施されている。
元々は、古きを温め新しきを知る”温故知新”がコンセプトの1枚だったのかもしれない。*19
しかし、りななんの急逝を受けて殆どの曲を発注し直したと校長が言及している。*20
そのため、当初の予定よりもそのコンセプトは薄まってしまったのかもしれないが、それでも十二分に”中学生”と”原点回帰”を感じられる。
そしてそれ以上にエビ中スタッフ、制作陣、そしてエビ中メンバー。エビ中に関わった人すべての愛が感じられる1枚となっている。
留まること無く進化し続ける表現力。
楽曲の多様性が魅力の1つであるエビ中らしいバラエティに富んだ楽曲。
けれどバラバラでは無く、芯のあるコンセプト。
そして、温かく愛に溢れている『ヱビクラシー』。
自分の表現には飛躍した表現、そして松野莉奈に想いを寄せて書いてしまった節がある。
だから話半分でもいいので、この記事を踏まえた上で『ヱビクラシー』を聴いてみて欲しい。
まだ聴いたことのない方は、『ヱビクラシー』の幅広くレベルの高い楽曲に驚愕を。
既に聴いたことのある方は、『ヱビクラシー』から”新たな色”を感じて頂けたら幸いだ。
僕はりななんが亡くなったことでアルバムコンセプトは完全に変わって、それでできたのがエビクラシーだと思っていた。でもそうじゃなかった。
— オノD@10/20 杏果武道館 (@onod_idol) 2017年7月16日
彼女も一緒に作るはずだったものが形になったのがエビクラシーだったんだ。それがわかった事がたまらなく嬉しい
アルバム
Disc2にメンバーのソロVer.が入った限定盤
アルバム音源のみの通常盤
*1:2017年10月現在の状況で書いています
*2:画像引用元:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d219314449
*3:ジェームス・ブラウン「ゲロッパ!」の意味とは - ライブドアニュース
*4:【セックス・ピストルズ】今でもカリスマ的人気は衰えないレジェンド・パンク・バンド - Middle Edge(ミドルエッジ)
*5:うなだれを知らぬ稲穂
*6:自己紹介がさそり座の中学生
*8:当初メンバーが言っていた「りなにラインしたら、また返信してくれそうなのに…」と言う言葉が掛かっているのかも?とフォロワーさんからご指摘を頂きました。トリプルミーニングとは言え、そちらが真意だと感じるので、色々な解釈の1つとして受け取って頂けたら幸いです。
*9:エビ中の真山りかがメインパーソナリティを務めるラジオ番組
*11:このブログを書いた当初の話
*12: 2017年6月3日に放送されたシブヤノオトより
*13:メンバーが自殺を知ったのが月曜日だったため、このタイトルになった。
*14:通常ベースはドラムと共にリズムを刻むためリズム隊と呼ばれているが、高音域でメロディアスでリズミカルな旋律を奏でることから、 しばしば「リード・ギター担当と勘違いしているベースプレイヤー」とフッキー(New Orderのべース)は揶揄される。
*15:
New Order - ベーススレまとめwiki - アットウィキ
*16:金八 : 私立恵比寿中学 | ローチケHMV - DFCL-2117
*18:なんで引用しているのだろう?とずっと疑問に思ってたが、教科書に乗るような音楽と言うことで中学生をイメージしているのだろうか?