Death To False Tanto

雑食な自称音楽好きが自己満でアルバムレビューなどをしていきます。ブログタイトルはWeezerから

未知との融合。Man'hattan Holiday『Dive Into The Otherside』

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Man'hattan Holiday(http://twitter.com/MHH_band)は日本のパワーポップ・バンドだ。そんなMan'hattan Holidayの新EPが発売され、Apple Musicなどのストリーミングサービスでも配信されたのでそのEPを紹介したいと思う。

パワーポップのその先へ

フロントマンであるシオノカイト(https://twitter.com/shionokaito)はパワーポップ+αを重視してバンド活動を行っている。その証明として挙げられるのが『Dive Into The Otherside』。Man'hattan Holiday自体がパワーポップ+αの音楽を追及しているが、今作ではそれをより強く感じさせるタイトルだ。

OVERTURE

また、アルバムジャケットでは前作『DEPopTURE E.P.』で出港した船を潜水艦が発見する。その物語は1曲目の「OVERTURE」にも繋がっており〈i did it! I found a ghost ship what colse look(?)〉*1潜水艇からのメッセージからアルバムがスタートする。

UN-TIED

続いて「UN-TIED」では彼の敬愛する日高央を彷彿とさせるようなパワーポップサウンドとなっている。サビ前でコーラスとシャウトするところやギターリフ、歌メロなどから、日高央のバンドであるTHE STARBEMSやBEAT CRUSADERSを思わせる。

MAYDAY

MVにもなっている「MAYDAY」では、うだつの上がらなそうな一人暗い部屋の中で男性がテレビを付け、1人で抱え込んでいる自分の救難信号を代弁するような音楽を聴くといったMVとなっている。

音楽的にはビートのアプローチにポップパンクのエッセンスなどがあり、正統なパワーポップに感じられるが、イントロにシンセ音も盛り込まれているため、彼らの求める音色パワーポップ+αをも感じられる1曲になっている。

youtu.be

TOO LATE

そして「TOO LATE」ではシオノカイト本人が述べているがSloanの「Spin Our Wheels」にそっくりなリフが存在する。またThe Cure(「Friday I'm in Love」)らしさは曲の雰囲気が近い気がするが、パワーポップの芯がきちんとあり、パワーポップ+ポストパンクといったサウンドになっている。

パワーポップと未知の遭遇

全曲を通して、Man'hattan Holidayの芯でもある様々な音楽ジャンルと融合。つまりパワーポップ+αが成された1枚となっている。パワーポップやポップパンクはあんまり聴かないなぁ…という人ほど、聴きやすい1枚になっているのではないだろうか?少しでも気になったら是非とも一聴して欲しいアルバムだ。

t.co

 

*1:〈やったぜ!沈没船を発見した!探索を開始する!〉的な意味らしい。